[童話]竜神になった三郎
竜神になった三郎 7
一方、娘の方も、「なんてりりしいかたかしら。
こんな人の妻になれたら、どんなにうれしいこ
とか」と思ったのです。
ひとめみた時から、二人とも忘れられなくなっ
てしまったのです。
「家はどこ?」
「この近くなの。ほら、あそこにみえる家よ」
「兄弟は何人?」
「私、一人っ子なの。おじいさんと暮らしてい
たけれど、おじいさんもこの春なくなってしま
ったわ。だから今は一人っきり」
村の娘とちがい、娘のことばは上品でした。
つづく
「竜神になった三郎」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。
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