福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女


福寿草になった少女 6


女の子のおかあさんが、お守りのつもりで、
鈴をおいていったのでしょうか。
長者が袋をあけてみると、中には黄金色の
鈴が入っていました。
「おや?鈴に紋がついている。この紋はた
しか・・梶の紋。梶の紋といえば、明神さ
まの紋じゃが。この子は明神さまに関係あ
る人のこどもなのじゃろか」
「まさか・・・」


おくさんも鈴を手にとり、ふってみました。
「リーン・リーン・リーン」
清らかな音色が、あたりにひびきました。
「なんでこんなかわいい子を捨てるのじゃ」 
「きっと理由があったのでしょう。こんなか
わいい子ですもの、母親だって捨てたくなか
ったでしょうに」


          つづく   





福寿草になった少女」は、
みほようこ二冊目の童話集「竜神になった
三郎」に収録されています。


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