[童話]ライオンめざめる
ライオンめざめる 6
「とうちゃん、とうちゃんが誕生日にくれた
ライオンのロケットね、夜になると、うーん
うーんってうなるの。うなるだけではなく、
いたいよぉっていうの。とうちゃん、どうし
たらいい?」
ある夜、かなはおとうさんに聞きました。
「かな、それほんとうかい?」
「とうちゃん、ほんとうよ」
「とうちゃんは、金でできているライオンが、
うなるはずはないと思うけれどね」
「私も最初はそう思ったわ。金でできている
ライオンが、うなるはずはないって。でも、
何度もうなり声を聞いているうちに、このロ
ケットの中に、だれかがとじこめられている
のではないかと思うようになったの」
つづく
「ライオンめざめる」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。
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