竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


竜の姿をみた少女 34


かなは、大きくうなずきました。
「では、ほんのちょっと、おかあさんの姿をみせて
あげよう。しっかり目をあけてみるのだよ」
そういうと、おじいさんは、玉を何回かなでました。
「さあ、かな。玉の中をのぞいてごらん」


「あっ、かあちゃんだ! かあちゃんが、野原で花
をつんでいる。かあちゃん、元気? とうちゃんも
私も、元気だよ。安心してね」
かなは、玉にむかって、夢中で話しかけました。
かあちゃんは、あちらの国へ行っても、やっぱり
花が好きなんだね」
かなは、おかあさんの姿をみて、胸がいっぱいにな
りました。


         つづく







「竜の姿をみた少女」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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