[童話]古事記神話「古事記物語」
やきもちをやく須勢理比売 3
愛しい妻よ。たくさんの鳥が飛び立つように、わし
が大勢のおとものものに引かれていったならば、あ
なたは泣くまいと強がっていても、ススキのようにう
なだれて泣くだろう。
あなたの嘆きは、朝の雨が霧となってたちこめるよ
うに、嘆きの霧が立ちこめるであろう。愛しい妻よ。
すると、須勢理比売が大きな杯をとり、大国主命の
そばに寄り、杯を捧げて歌を詠みました。
八千矛神よ、私の大国主命よ。
あなたは男だから、島の岬、港ごとに妻がいるので
しょうね。
私は女ですから、あなた以外に男はいません。
あなた以外に夫はいません。
つづく
「古事記」は、どのようにして編集されたのか?
古事記神話「古事記物語」を書いた数年後、
斎木雲州著「古事記の編集室」を読みました。
著者の「斎木雲州」さんについては、この本を。