[童話]古事記神話「古事記物語」
豊玉比売 8
海の神が鯛の喉を調べると、大きなつり針がささっ
ていました。
すぐにつり針を取り出し、きれいに洗い清めました。
「山彦よ。探している針は、これかな」
「はい。その針です」
「このつり針を、兄に返す時、こういいなさい。この
つり針は、ぼんやりの針・猛り狂う針・貧しい針・役
立たずの針といって、後ろ手に兄にわたしなさい」
そして、続けていいました。
「兄が高い所へ田を作ったら、そなたは低い所に
田を作りなさい。海の神のわしが水を支配してい
るので、兄は三年の間に収穫がなくなり、貧しくな
るだろう。
つづく
「古事記」は、どのようにして編集されたのか?
古事記神話「古事記物語」を書いた数年後、
斎木雲州著「古事記の編集室」を読みました。
著者の「斎木雲州」さんについては、この本を。