大伴御行大納言と龍の頸の玉 3
大納言は、龍の頸の玉をとるために、家来たちを派
遣することにしました。
家来たちには、道中の食料の他に、屋敷にあった絹
や綿や金などを持たせました。
「おまえたちが、龍の頸の玉を持ってくるまで、わしは
精進潔斎して待っている。玉を手に入れるまで、屋敷
に帰ってくるな」
大納言は、家来たちに厳命しました。
「じゃあ、足の向いた方へ行って、玉を探してこよう」
「大納言さまは、物好きな人じゃのぅ。龍の頸につい
ている玉など、とれるはずもないのに。何を考えてい
るのか」
つづく