竹取物語

[童話]竹取物語


大伴御行大納言と龍の頸の玉 8


「船に乗ったら、船頭だけを信頼するものだ。それ
なのに・・・なぜ頼りないことをいうのか」
船酔いのため、大納言は口から物をはきながらい
いました。


「わしは、神様ではないので、何もできません。強
い風が吹き、波が荒く、その上雷まで・・・。これは、
ただごとではありません。あなたが、龍を探し殺そ
うと思っているから、こんなことになっているのです。
龍が怒っているのですよ。早く神様に祈ってくださ
い」


「神様、どうかわしの話を聞いてください。わしは、
かぐや姫が望んだ龍の頸についている玉が欲しく
て、龍を探し殺そうとしました。もうそんな恐ろしい
ことはしません。神様、どうか許してください」
大納言は、立ったり座ったりして、千回位神様に祈
りました。

             つづく