竹取物語

[童話]竹取物語


大伴御行大納言と龍の頸の玉 9


祈りがきいたのか、やっと雷が鳴りやみました。
でも、まだ強い風が吹いています。
「やはり、龍のしわざだったのだ。今吹いている風は、
よい方向に向かって吹いている」
大納言は、船頭のことばも、耳にはいらぬようでした。


三四日、順風が吹き、船を陸地につけることができま
した。
船頭が浜をみると、そこは播磨の明石の海岸でした。
大納言は、南海の浜に吹き寄せられたのだろうと思
い、しょんぼりしています。
一緒に船に乗っていた家来が、国府に告げると、国
司の播磨の守が、見舞いにきました。



             つづく