火とぼし山

[童話]火とぼし山


第三章  湖の上を歩く娘 8


「明神さま。その娘は、どこに住んでいるのですか」
「どこに住んでいるか、わしも知らん。今夜会ったば
かりだから。でも、湖の東側に住んでいることだけは
たしかじゃ。名前は、きよというらしい」
「じゃあ、早速調べてみましょう」
「手長、足長。娘のこと、頼んだぞ」
明神さまは、手長と足長に娘のことをお願いしました。


一方、きよと次郎は、いつものように一晩中語りあか
しました。
仕事のこと、家族のこと、霧ケ峰高原へ花をみに行っ
た時の思い出などを、夢中で語りあいました。
離れて暮らす二人にとって、この時間は貴重な時間
でした。


             つづく