火とぼし山

[童話]火とぼし山


第七章  新しい出発 22


すると、
「きよ、静岡へついたかな。おまえはこれからそこで
暮らすのじゃ。わしの友だちのばあさんと一緒にな。
きよ、記憶がもどったら、いつでも諏訪へもどってお
いで。待っているぞ」
どこからか、明神さまの声が聞こえてきました。


「きよ、こっちの方角が、諏訪だよ。さみしくなったら、
足長とよんでください。すぐとんできますから」
「きよ。足長と一緒に、時々遊びにくるからね。元気
で暮らしてね。じゃあ、私たちは諏訪へ帰ります」
手長と足長が、なごりおしそうにいいました。

 
               つづく