瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


    瑠璃寺の青獅子  10


「わしは、この木の中に眠っている獅子を、目ざめ
さすことができるだろうか。獅子よ、どうか一日も早
く目をさましておくれ」
男は、木の中に眠っている獅子に話しかけました。


木がみつかると、のみやかんななど、木を彫るため
の道具の手入れを始めました。
仕事を始める前には、まず滝へ行き、不動明王
お参りします。
「わしは、獅子頭をみたこどもが、びっくりして泣き
だすような、そんな獅子頭を彫りたい。どうかわしに
力をかしてください」
そう祈りながら、滝にうたれました。


            つづく