黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


    黄金色のまゆ玉  10


明神さまと奥さんは、守屋山のふもとで蚕をかってい
ました。
二人は、諏訪地方に養蚕をひろめようと、伊勢の方か
ら寒さに強い桑の木や、蚕の卵をとりよせました。
そして、技術者をよび、養蚕の技術を学んでいたの
です。
蚕からは、真っ白なまゆ玉がたくさんとれました。


ある日。
明神さまは、たくさんのまゆ玉の中に、黄金色に光っ
ている美しいまゆ玉をみつけました。
「おや? これは、黄金色のまゆ玉。美しいまゆ玉じ
ゃのぅ。こんな美しいまゆ玉は、みたことがない。でも、
なぜこんな所に黄金色のまゆ玉があるのじゃろ」
明神さまは、ふしぎに思いました。


             つづく