[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり
井戸で鳴く黄金色のにわとり 8
「それはそうと、信忠はいつ伊那谷にせめてくるの
じゃ」
「さあ、わかりません。戦の準備をしておくようにとの
知らせでございます」
信廉が、知らせにきた人と、小声で話しています。
いとこの松姫さまは、婚約が破棄されてからも、ず
っと信忠さまのことを思っているらしい。
信忠さまが、信玄おじさまの城に攻めてくると知っ
たら、松姫さまはどんなに悲しむだろうと、るり姫は
思いました。
「いよいよ、戦が始まるのか」
姫は、城に住んでいる人々や、城下の人たちのこ
とを心配しました。
つづく