2021-06-09 井戸で鳴く黄金色のにわとり 童話 [童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり 井戸で鳴く黄金色のにわとり 9 「吉岡城の下条が、織田に降参したらしい」 「松尾城の小笠原も、降参したそうだ」 「飯田城の保科が、高遠城へ逃亡した」 こんな知らせが、毎日のように、信廉の元へ届きま した。 「いよいよ、次はわが城か」 信廉は、小声でつぶやきました。 「城代さま。大変でございます」 天守閣でみはりをしていた人が、信廉の部屋へと びこんできました。 「なにごとじゃ」 「遠くに、織田の軍旗がみえます。驚くほどたくさん の軍勢です」 つづく