井戸で鳴く黄金色のにわとり

[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり


    井戸で鳴く黄金色のにわとり  10


「なに? 織田軍が、近くまできていると。早く、み
んなに知らせろ」
信廉が、みはりの人にいいました。
「みなのもの、戦が始まるぞー。三河の織田との戦
じゃ」
信廉が、大声でさけびました。


城内は、大さわぎになりました。
「静まれー。みなのもの、落ちつくのじゃ」
信廉の声で、城内はしーんと静かになりました。
「大島城を、みんなで守るのじゃ。たのんだぞ」
人々は、いそいで戦の準備をしました。
戦でこわいのは、火事。
火事になれば、手のほどこしようがありません。
城では、火を消すための水が、大量に用意されま
した。


              つづく