げら、桜が咲いたよ

[童話]げら、桜が咲いたよ


    げら、桜が咲いたよ  4


その鳥は、くちばしで木の皮をつつきながら、「ギーィ、
キキキ」と鳴いています。
「あっ、こげらだ。かわいい鳥だな」
おじいさんは、白と黒のチェックのコートをきたこげら
が、いっぺんで好きになりました。


庭へこげらがやってきたのは、初めてです。
「この森にも、こげらがいたのか」
こげらは、おじいさんが小鳥好きの人間だとわかるの
か、近づいてもにげもせず、木の皮を一心につつい
ています。
おじいさんは、そのこげらに、「げら」と名前をつけま
した。


          つづく