海彦山彦

[童話]海彦山彦


      海彦山彦 9


しばらく行くと、大きな宮殿がみえてきました。
「あれが、海の神様の宮殿にちがいない」
山彦は、ほっとしました。
宮殿についた山彦は、桂の木を探しその木に登り、
海の神様の娘がやってくるのをじっと待ちました。


二時間後。
海の神様の娘・豊玉比売の侍女が、美しい瓶を持
って水をくみにきました。
侍女が水をくもうとした時、井戸の中がぴかっと光
りました。
「何だろう」
ふしぎに思った侍女が上をみると、桂の木に青年
がいました。


            つづく