大国主命

[童話]大国主命


      大国主命の試練 13


大国主命は、命が大切にしている太刀と弓矢・玉のつい
た天の詔琴(のりこと)をかかえ、須勢理比売を背負って、
やしきを逃げだしました。
太刀と弓矢は、蘇生の特殊能力をもっている神の武具。
天の詔琴は権威ある命令を出す時に奏でる神器でした。


ところが、抱えていた琴が、木の幹にぶつかり、「じゃら・
じゃら・じゃらーん」と、大きな音をたて鳴りだしました。
命は、その音で目をさましました。
髪の毛がたる木にしばりつけてあったので、大力の命
が立ちあがると、その部屋は「めりめりっ」と大きな音を
たてつぶれてしまいました。


           つづく