大国主命

[童話]大国主命


      少名毘古那(すくなびこな) 2


「あの小さな神様は、誰じゃ」
大国主命は、近くにいたひき蛙に聞きました。
すると、「クエビコが知っているでしょう」と。
クエビコとは、たんぼの中に立っているかかし。
たいそうなものしりでした。


「小さな神様は、神産巣日神(かむむすひのかみ)の子
で、少名毘古那ですよ」
かかしが、そう教えてくれました。
神産巣日神なら、大国主命もよく知っています。
八十神たちにいじめられ、猪に似た真っ赤に焼けた石
を抱いて大やけどをした時、大国主命を助けてくれた恩
人でした。


           つづく