[童話]じいじとせみ
じいじとせみ 4
その日も太陽がじりじりとてりつけ、朝からむし暑い
日でした。
ぼうやは大きなすんだ目をしていました。
「元気で丈夫な、心のやさしい子に育ってほしい」
じいじは心からそう思いました。
ばあばは「元気な男の子が生まれてよかったね」と
いいました。
じいじはあきもせず、ぼうやの顔をじっとみています。
ぼうやのもみじのような小さな手に、自分の指をから
ませ、ぼうやにいろいろ話しかけました。
ぼうやはじいじの顔を見て、にっこり笑いました。
あどけないほほえみでした。
つづく