2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 13 建御雷神たちは高天原へもどり、天照大御神に報告 しました。 「やっと大国主命を説得することができました。葦原 中国は、天照大御神の御子の国になりました」と。 国譲りの後、大国主命がどうなったのか、誰も知りま せん。 …

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[童話]大国主命 国譲り 12 「おまえの二人のこどもは、天照大御神の仰せに従 い背くことはありませんといっている。おまえはど うする」と聞きました。 「二人のこどもがいうように、わしも背きません。 この国を、天照大御神の御子に譲りましょう。一つ…

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[童話]大国主命 国譲り 11 建御名方神は、ひっしで逃げました。 その後を、建御雷神が追ってきます。 とうとう信濃の国の諏訪湖まで追ってきました。 建御名方神を殺そうとした時、「どうか殺さないで ください。わしは、諏訪以外、どこへも行きません。…

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 10 そこへやってきたのが、建御名方神。 千引きの岩を軽々と持ちあげながら「だれだ。こ の国へやってきて、文句をいっているやつは。わ しと力くらべをしよう。まずわしがそちの手をと るがどうだ」といいました。 建御雷神(た…

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 9 そして、大声で返事をしました。 「父上。この国を、天照大御神の御子に譲ったら どうでしょうか」 そういうと、言代主神はのってきた船をふんでか たむけ、天の逆手を打ちました。 すると、その船は青々した柴垣になりました。 …

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 8 偉大な霊能力を持っている言代主神は、高天原 から何人もの使者がやってきて、「葦原中国を 譲れ」とせまることに、うんざりしていました。 今度ことわっても、「譲ります」というまで何 度でもやってくるにちがいないと思いまし…

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[童話]大国主命 国譲り 7 そして、大国主命と直談判しました。 「わしらは、天照大御神のおつかいでここへ やってきた。そちが治めている葦原中国は、 天照大御神の御子が治めるべき国である。こ の国を御子に譲ってほしい」 「わしからは返事ができない…

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 6 「天若日子は、八年たってももどってこない。 なぜもどってこないのか」 その理由を聞くためにおくられたのが、雉。 名は、鳴女(なきめ)。 鳴女は桂の木にとまり、天照大御神のことば を伝えました。 しかし、その鳴女も、天若…

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 5 何度話し合いをしても、大国主命の気持はか わりません。 三年たっても、天菩比神は高天原へもどるこ とができませんでした。 次につかわされたのは、天若日子(あめわか ひこ)。 天照大御神は、立派な弓と矢を持たせ下界へ 送…

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[童話]大国主命 国譲り 4 相談の結果、つかわされたのが、天菩比神 (あめのほひのかみ)。 「そちが治めている葦原中国は、天照大御 神の御子が治めるべき国である。この国を 御子に譲っていただきたい」 「わしは、義父の須佐之男命が治めていた 国を引…

大国主命

[童話]大国主命 国譲り 3 その様子をみた天忍穂耳命は、高天原へもど り天照大御神に報告しました。 「葦原中国は荒ぶる神がおおぜいいて、物騒 な国。私には、あの神たちを説得することは できません」 困った天照大御神は、おおぜいの神たちを河 原に集…

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[童話]大国主命 国譲り 2 ある日。 天照大御神は、長男の天忍穂耳命(あめのお しほみみのみこと)をよんでいいました。 「下界の葦原中国は、私の弟や後を継いだ大 国主命が治めている国。あの国は、あなたが 治めるべき国なのですよ。すぐに下界へ降り …

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[童話]大国主命 国譲り 1 天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、高 天原で乱暴をはたらき、下界へ追放された弟・ 須佐之男命(すさのおのみこと)のことを心 配していました。 須佐之男命が治めていた国をひき継いだのが、 大国主命。 その国は、水穂国…

大国主命

[童話]大国主命 やきもちをやく須勢理比売 4 あなた以外に夫はいません。 綾織りの帳がひらりとたれている下で、カラ ムシの寝具の柔らかな下で、タクの寝具のざ わざわ鳴る下で、淡雪のような私の白い胸を やさしくだいてください。 そして、私の手を枕…

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[童話]大国主命 やきもちをやく須勢理比売 3 愛しい妻よ。 たくさんの鳥が飛び立つように、わしが大勢の おとものものに引かれていったならば、あなた は泣くまいと強がっていても、ススキのように うなだれて泣くだろう。 あなたの嘆きは、朝の雨が霧と…

大国主命

[童話]大国主命 やきもちをやく須勢理比売 2 大国主命は片手を馬の鞍(くら)にかけ、片足を 鐙(あぶみ)に入れて、こんな歌を詠みました。 黒い衣を着て、水鳥のように胸元をみる。 そして、鳥が羽ばたくように、袖をあげさげして みるが似合わない。 …

大国主命

[童話]大国主命 やきもちをやく須勢理比売 1 大国主命の正妻・須勢理比売(すせりひめ)は、大 国主命がよその国へ行くたびに、その国の美しい女 性を妃にすることが許せませんでした。 そんなうわさを耳にするたびに、須勢理比売はやき もちをやきました…

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[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 15 沼河比売たちは、福来口・根知谷・平牛・・・と、越 の国内をあちこち逃げまわりました。 家来たちに追われ、沼に落ちたり、枯れたあしととも に火で焼かれそうになったりしました。 それでも、沼河比売は追…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 14 大国主命は家来に命じ、沼河比売が寝ている間に船 にのせ、七尾港へ運ばせました。 翌朝、目をさました沼河比売は驚きました。 「なぜ船の上にいるのだろう」と。 沼河比売は、船から脱出する機会をじっと待…

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[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 13 ところが、ある日。 出雲から、大国主命の父神がなくなったという知らせ が届きました。 大国主命は、越の長たちに、建御名方神の後見を頼み、 出雲へ帰ることにしました。 「一緒に出雲へいってほしい」と…

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[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 12 しばらくして、建御名方神(たけみなかたのかみ)が 生まれました。 後に、諏訪の祭神になるかたです。 建御名方神が生まれた時、近くの山から、たくさんの 小鳥・雉・鹿・熊などが集まってきて、建御名方命…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 11 その後。 二人は、しばらく沼河比売が住んでいる里で暮ら しました。 そして、翡翠の加工技術や販売方法などを指導し ました。 仕事が軌道にのると、二人は身能輪山の宮殿へ移 りました。 宮殿のある里では…

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[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 10 緑の山に日が沈むと、真っ暗な夜がやってきます。 夜になったら、朝日のようにやってきて、白い腕で私を やさしく抱いてください。 そして、私の手をしっかりにぎってください。 玉のような私の手を枕にして…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 9 そして、庭ではにわとりが時をつげています。 なんといまいましい鳥たちだろう。 どうか鳥たちのうるさい鳴き声をとめておくれ。 こんな意味の歌でした。 すると、沼河比売が、家の中からこんな歌を返しました…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 8 根知彦に勝った大国主命は、早速沼河比売 (ぬなかわひめ)のやしきへ行き、求婚の 歌を詠みました。 私、八千矛神(やちほこのかみ)は、すて きな妻を探して日本中を歩きましたが、み つけることができませ…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 7 続いて、牛に乗った大国主命が飛んだ所は、別 所の少し先。 ・・・ということで、大国主命の勝ち。 ところが・・・。 「もう一度、勝負を」と、根知彦。 二回目の勝負が行われました。 根知彦が神馬に乗り、大…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 6 二人の仲裁をしたのは、村の長。 高い山の上から、どちらが遠くまで飛ぶことが できるか、競争したらどうだろう。 そして、勝った方が、沼河比売を妻にすること ができる・・・と。 二人が勝負する場所は、奴…

大国主命

[童話]大国主命 沼河比売(ぬなかわひめ) 5 困った大国主命は、海賊の夜星武に、妃の一人を さしだしました。 夜星武は、その妃をたいそう気に入り妻にしたそう です。 大国主命にとって一番手ごわい相手は、沼河比売 におもいをよせている根知の根知彦…