2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 11 すかさず、天児屋命(あめのこやのみこと)と布刀 玉命(ふとたまのみこと)が、大きな鏡を差し出し、 天照大御神にみせました。 天照大御神は、少しずつ戸から出てきて、鏡に映 った姿をのぞき…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 10 しばらくすると、天宇受売命は、乳や腹やももをま るだしにして、くるったようにおどりだしました。 その様子をみた神たちが、「わぁーっ」と大声で笑 いました。 その上、たくさんの長鳴鳥が「…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 9 この幣を、布刀玉命(ふとたまのみこと)が捧げ持 ち、天児屋命(あめのこやのみこと)が祝詞をあげ ました。 戸の脇には、天手力男神(あめのたぢからおのか み)が、天照大御神を岩戸からひきだ…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 8 「たくさんの長鳴鳥を集めて、岩戸の前で鳴かした らどうだろう」 「それがいい」 「そうしよう」 高天原にいるすべての長鳴鳥が、岩戸の前に集め られました。 一方、安の河の川上にある堅い石と…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 7 その様子をみた天照大御神はこわくなり、天の岩屋 の戸を開け、中に閉じこもってしまいました。 太陽の神である天照大御神が岩屋に隠れてしまっ たので、高天原も葦原中国も真っ暗になってしまい …

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 6 「くそのような物は、弟が酔ってはいたのでは」 「田のあぜをこわしたのも、溝を埋めたのも、土地 を広くしようと思ってやったのでしょう」 天照大御神は、須佐之男命がやったことをかばい ました…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 5 左と右の手に巻いた玉から生まれた神が、活津日 子根命(いくつひこねのみこと)と熊野久須卑命 (くまのくすひのみこと)。 五柱の男の神が生まれました。 「後から生まれた男の神は、私の持物か…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 4 そして、剣を清らかな井戸水で洗って清め、がり がりとかんで、息をふきかけました。 生まれた子は、多紀理比売命(たぎりひめのみこ と)・狭依比売命(さよりひめのみこと)・多岐都比 売命(た…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 3 「弟よ。何をしにここへきたのだ」 「姉上。わしは、何もたくらんではいない。父が泣 きわめいているわけを聞いたので、大好きな母の 国へ行きたいといったら、さっさと出ていけと追い だされてし…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 2 そして、左右の髪には髪飾りを、両方の腕には勾 玉がたくさんついた八尺(やひろ)の玉飾りを、鎧 の背には千本入れの矢入れを、鎧の胸には五百 本入れの矢入れをつけました。 そして、右手に弓を…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 天照大御神と須佐之男命 1 「じゃあ、姉の天照大御神に挨拶してから、母がい る根之堅州国へ行こう」 須佐之男命は、大空の上にある高天原へ向かっ て、のぼって行きました。 力の強い大男の須佐之男命が、どすんどすんと …

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 16 また、火がついたように大声で泣くので、川や海 の水もひあがってしまいました。 須佐之男命の泣き声を聞いた悪神たちが、あち こちであばれだし、い…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 15 そして、首飾りの玉の緒を、天照大御神に授けま した。 「天照大御神よ。おまえは、高天原を治めなさい」 「月読神よ。おまえは、夜之食国(よるのお…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 14 その時投げ捨てた杖・帯・袋・衣・はかまなどが、 すべて神になりました。 「上の瀬は、流れが急だ。下の瀬は、流れがゆる やかだ」 そういいながら、…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 13 「妻よ。あなたがそんなひどいことをするなら、わ しは一日に千五百人のこどもをうむぞ」 こんなわけで、この世では、一日に千人がなくな り、千五百…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 12 「桃よ、危ないところを助けてくれて、ありがとう。わ しを助けてくれたように、葦原中国の困っている人 々を助けてあげてほしい」 伊耶那岐命は、助…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 11 伊耶那美命は、醜女だけでなく、体についている 八雷神に、おおぜいの軍勢をそえ、夫を追わせま した。 伊耶那岐命は腰につけている十挙の剣を抜き、…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 10 「あの男を追いかけていき、つかまえてきなさい」 大声で、醜女(しこめ)に命じました。 醜女が、すごい勢いで追いかけてきます。 伊耶那岐命は、黒…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 9 すると・・・。 妻は、御殿の一番奥の部屋で寝ていました。 よく見ると、妻の体には、数えきれないほどのた くさんのうじが。そのうじが、妻の体中をこ…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 8 「残念です。あなたが早く迎えに来てくれないので、 私は黄泉の国のかまどで煮た物を食べてしまいま した。でも、あなたが迎えにきてくれたので帰ろうと…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 7 その時に出た血から、またたくさんの神が生まれ ました。 伊耶那岐命は、もう一度、愛する妻に会いたいと 思い、黄泉の国へ向かって旅立ちました。 黄泉…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 6 伊耶那美命は、火の神を生んだために、大やけど をしなくなってしまいました。 「愛しい妻よ。あなたは、火の神を生んだためにな くなってしまったのか…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 5 「なんとかわいい乙女だろう」 「なんてすてきなかたかしら」 こういい終わると、二神は改めて結婚しました。 そして、生まれたのが、淡路島。 次に、四…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 4 次に生まれた子も、あわあわとして頼りない淡島 でした。 「残念なことに、わしらが生んだこどもは、どの子 も未熟じゃ。高天原へ戻り、どうしたらしっ…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 3 「それなら、天の御柱のまわりを回って出会い、 結婚しよう。あなたは、右から回りなさい。わし は、左から回るから」 二神は、御柱のまわりを回りまし…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 2 伊耶那岐命と伊耶那美命は、おのごろ島に降り、 天の御柱と八尋御殿(やひろごてん)を建てました。 「伊耶那美命よ、あなたの体は、どのようにできて …

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[童話]古事記神話「古事記物語」 伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 1 天津神たちは、伊耶那岐命と伊耶那美命に命じま した。 「くらげのようにふわふわしているあの地をかため、 しっかりした国を作りなさい」と。 そして、…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 最初の神々 2 これらの神の次に生まれたのは、国之常立神(くに のとこたちのかみ)と豊雲野神。 この神も、独り神でした。 その後。 たくさんの神が生まれました。 国之常立神から伊耶那美神(いざなみのかみ)まで を総称…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 最初の神々 1 天と地ができた時、高天原(たかあまのはら)に 最初に生まれた神は、天之御中主神(あめのみ なかぬしのかみ)。 次に生まれた神は、高御産巣日神(たかみむす ひのかみ)と神産巣日神(かむむすひのかみ)。…

女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの 女神さまからのおくりもの 21 「きよ。すべての使命を終え、あなたが私たちの 国へ帰ってくる日を待っていますよ」 きよは、女神さまの声を聞きながら、白駒の背に のり家路につきました。 「きよちゃーん。あの湖はね、白…