2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 豊玉比売 2 「水を一杯いただきたいのですが」 山彦は、侍女にお願いしました。 「どうぞ」 侍女は水をくみ、山彦にさしだしました。 山彦は水を飲まずに、首にかけていた玉飾りをほ どくと、口に玉をふくみ瓶にはきいれま…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 豊玉比売 1 しばらく行くと、大きな宮殿がみえてきました。 「あれが、海の神様の宮殿にちがいない」 山彦は、ほっとしました。 宮殿についた山彦は、桂の木を探しその木に登り、 海の神様の娘がやってくるのをじっと待ちま…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 8 「綿津見神とは?」 「海の神様じゃ。宮殿の入口に、大きな井戸がある。 そのそばに、桂の木があるので、木に登って待って いるがいい。そうすれば、海の神様の娘がそなたを みつけてくれるだろう。そして、相談…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 7 「そうか。そんなことで悩んでいたのか。わしにいい 考えがある」 「ほんとうですか」 塩椎神は、細かく編んだ竹の籠で、舟を作ってくれ ました。 「さあ、この舟に乗りなさい。わしが舟を押すから、し ばらくそ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 6 「兄さんは、なぜ大事な剣で作ったつり針を、受け 取ってくれないのだろう。つり針をなくしたことは悪 いけれど、かわりのつり針を受け取ってくれてもい いじゃないか。兄さんのいじわる」 山彦は、海に向かって…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 5 山彦は、自分の長い剣をこわし、五百本のつり針をつ くり海彦にわたしました。 「そんなつり針ではだめだ。元のつり針でなくては」 海彦は、つり針を受け取ってくれません。 山彦は、また別の剣で千本のつり針を…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 4 「何、つり針をなくしたと。あのつり針は、おれが一番 大切にしているものだ。 許さん。明日、海へ行って、 つり針をさがしてこい」 海彦が大声で怒りました。 次の日。 山彦は海へ行き、つり針を探して歩きまし…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 3 ところが・・・。 何時間たっても、一匹も魚がつれません。 簡単に魚がつれると思っていた山彦は、がっかりし ました。 その上、兄が大切にしているつり針をなくしてしまっ たのです。 「どうしよう。あのつり針…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 2 ある日。 「兄さん。たまには山へ行って、きじや鹿をとってみ ないかい」 「おれは、狩りはできない。いやだ」 海彦は、ことわりました 「兄さん。おれ、海へ行って、大きな鯛をつってみ たいんだ」 「馬鹿をい…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 海彦山彦 1 木花之咲夜比売(このはなのさくやひめ)が、火の 中でうんだ三人のこどもたちは、りっぱな若者にな りました。 兄の火照命(ほでりのみこと)は、海彦。 弟の火遠理命(ほをりのみこと)は、山彦とよばれて い…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ) 10 火照命(ほでりのみこと)・火須勢理命(ほすせりの みこと)・火遠理命(ほをりのみこと)の三人です。 兄の火照命(ほでりのみこと)は海彦。 弟の火遠理命(ほをりのみこ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ) 9 邇邇芸命は、「誰のこどもかわからん」と、小声でつ ぶきました。 そんな邇邇芸命をみて、木花之佐久夜比売は悲し く思いました。 木花之佐久夜比売は、出産をするため戸のない…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ) 8 すると・・・。 「木花之佐久夜比売よ。私は、あなたとは一晩しか 一緒にすごしていません。だから、お腹のこどもは、 私のこどもではありません。あなたが以前につきあ ってい…

花のほほえみ

ひおうぎすいせん

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ) 7 そんなわけで、現在に至るまで、天皇の寿命は長く ありません。 その日。 邇邇芸命と木花之佐久夜比売は、結婚しました。 二人は、楽しい時間をすごしました。 次の朝。 邇邇芸…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ) 6 「私が娘二人をさしあげたわけは、石長比売を妻に すれば、邇邇芸命さまの命は、岩のように永遠に長 く続くことでしょう。木花之佐久夜比売を妻にすれば、 桜が美しい花を咲か…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)5 石長比売をみた邇邇芸命は、驚きました。 石長比売は、岩のようにごつごつした醜い顔をして いたからです。 「妹は桜の花のように美しいのに、なぜ姉は醜いの だろう。あの二人…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)4 「さきほど、邇邇芸命は、海岸で木花之佐久夜比売 さまにお会いしたそうです。そして、一目ぼれしてし まったのです。そんなわけで、木花之佐久夜比売さ まを邇邇芸命の妃にいた…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)3 「天照大御神さまのお孫さまとは。びっくりしました。 返事は、父からお聞きください。急いでおりますの で失礼します」 そういうと、木花之佐久夜比売は、足早に去ってい きま…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)2 「兄弟は何人ですか」 「姉が一人います」 「名前は?」 「石長比売(いわながひめ)といいます」 「石長比売だなんて・・・変な名前。美人なのだろうか」 邇邇芸命は、そっとつ…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 木花之佐久夜比売(このはなのさくやひめ)1 邇邇芸命(ににぎのみこと)は、大国主命から譲ら れた葦原中国を統治するため、高天原から降りて きました。 ある日。 邇邇芸命が、笠沙の岬を歩いていると、向こうから 娘がや…

花のほほえみ

かんぞう

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 14 国譲りの条件として、多芸志の小浜に建てられた 巨大な出雲大社。 その社にまつられている大国主命は、今どんな気 持でいるのでしょうか。 何十年もの長い年月をかけて、人々とともに苦労 してつくった葦原中国…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 13 国譲りの後、大国主命がどうなったのか、誰も知りま せん。 国譲りの直後、潔く黄泉の国へ行ったのではないか ・・・といわれています。 柴垣の中へ隠れ、二度と姿をみせない事代主神が どうなったのか、それも…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 12 「二人のこどもがいうように、わしも背きません。 この国を、天照大御神の御子に譲りましょう。一 つだけ条件がある。わしが住む宮殿は、天照大御 神の御子が住んでいるような立派なものを建てて ほしい。そうす…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 11 建御名方神は、ひっしで逃げました。 その後を、建御雷神が追ってきます。 とうとう信濃の国の諏訪湖まで追ってきました。 建御名方神を殺そうとした時、 「どうか殺さないでください。わしは、諏訪以外、ど こ…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 10 そこへやってきたのが、建御名方神。 千引きの岩を軽々と持ちあげながら「だれだ。この 国へやってきて、文句をいっているやつは。わしと 力くらべをしよう。まずわしがそちの手をとるがどう だ」といいました。…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 9 そういうと、言代主神はのってきた船をふんでかた むけ、天の逆手を打ちました。 すると、その船は青々した柴垣になりました。 言代主神は、大国主命にむかって頭をさげると、 柴垣の中へかくれてしまいました。 …

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[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 8 偉大な霊能力を持っている言代主神は、高天原か ら何人もの使者がやってきて、「葦原中国を譲れ」 とせまることに、うんざりしていました。 今度ことわっても、「譲ります」というまで、何度でも やってくるにちが…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 国譲り 7 「わしらは、天照大御神のおつかいでここへやって きた。そちが治めている葦原中国は、天照大御神の 御子が治めるべき国である。この国を御子に譲って ほしい」 「わしからは返事ができない。わが子の言代主神(こ…