2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

天照大御神と須佐之男命 

[童話]天照大御神と須佐之男命 天照大御神と須佐之男命 3 「弟よ。何をしにここへきたのだ」 「姉上。わしは、何もたくらんではいない。父が泣 きわめいているわけを聞いたので、大好きな母の国 へ行きたいといったら、さっさと出ていけと、追い だされて…

天照大御神と須佐之男命

[童話]天照大御神と須佐之男命 天照大御神と須佐之男命 2 そして、左右の髪には髪飾りを、両方の腕には勾玉が たくさんついた八尺(やひろ)の玉飾りを、鎧の背に は千本入れの矢入れを、鎧の胸には五百本入れの矢入 れをつけました。 その後、右手に弓を…

天照大御神と須佐之男命    

[童話]天照大御神と須佐之男命 天照大御神と須佐之男命 1 「じゃあ、姉の天照大御神に挨拶してから、母がいる 根之堅州国へ行こう」 須佐之男命は、大空の上にある高天原へ向かって、の ぼって行きました。 力の強い大男の須佐之男命が、どすんどすんと乱…

伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 17 伊耶那岐命は須佐之男命をよび、厳しくしかりました。 「おまえは、海原を治めずに、なぜ泣きわめいている のだ」 「大好きな母がいる根之堅州国へ行…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 16 しかし、末っ子の須佐之男命は、父のいいつけを守ら ず、長いひげがみぞおちのあたりまで届くほどに成長 しても、毎日泣きわめいていました。 「わぁ…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 15 「わしは、ずっとたくさんの子を生み続けてきた。最 後に、三柱の尊い子を生むことができた」 伊耶那岐命は、うれしそうにいいました。 そして、首飾…

伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 14 伊耶那岐命は、筑紫の日向の橘のあわき原に着きました。 「わしは、なんと醜いけがれた国へ行っていたものだ。 体についたけがれを、川で洗って清めよ…

伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 13 「夫よ。あなたがこんなことをするならば、あなたの 国に住んでいる人々を、一日に千人殺すわよ」 「妻よ。おまえがそんなひどいことをするなら、わし…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 12 「桃よ、危ないところを助けてくれてありがとう。わ しを助けてくれたように、葦原中国に住むすべての人 々を、これから助けてあげてほしい」 伊耶那…

伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 11 伊耶那美命は、体についている八つの雷神に、おおぜ いの軍勢をそえ、夫を追わせました。 伊耶那岐命は、腰につけていた十挙の剣を抜き、剣を 後手に…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 10 醜女が、すごい勢いで追いかけてきます。 伊耶那岐命は、黒い髪飾りをとり、醜女に向かって投 げつけました。 すると、たくさんの山ぶどうの実に。 醜…

 伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 9 その上、頭・胸・腹・女隠・左手・右手・左足・右足 にはおそろしい顔をした八つの雷神がついていました。 そんな妻の姿をみた伊耶那岐命は、「あっ」と…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 8 どの位の時間がすぎたのでしょうか。 長い時間がすぎました。 でも、妻は出てきません。 待ちくたびれた伊耶那岐命は、左のみずらにさしてい た櫛の歯を…

伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 7 伊耶那岐命は、もう一度妻に会いたいと思い、黄泉国 へ行きました。 伊耶那美命が御殿から出てきて、御殿の戸をぴしゃり と閉めました。 「愛しい妻よ。…

 伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 6 「愛しい妻よ。おまえは火の神を生んだためになくな ってしまったのか」 伊耶那岐命は、嘆き悲しみました。 その時に生まれた神が、泣沢女神(なきさわ…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 5 次に、四国・隠岐島・九州・伊岐島・対馬・佐渡島・ 本州を生みました。 この八つの島を、大八島国といいます。 おのごろ島から帰った後、吉備児島・小…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 4 二神は、高天原へ行き相談しました。 天津神は、未熟な子が生まれたわけを占いました。 「女が先にことばをかけたのが悪い。おのごろ島へ もどり、もう…

 伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 3 「なんてすてきなかたでしょう」 「なんとかわいい乙女だろう」 「でも・・・女から先にことばをかけたのは、まず かったのではないか」 そういいながら…

伊耶那岐命と伊耶那美命

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 2 伊耶那岐命と伊耶那美命は、おのごろ島に降り、天 の御柱と八尋御殿(やひろごてん)を建てました。 「おまえの体は、どのようにできているのじゃ」 「…

伊耶那岐命と伊耶那美命 

[童話]伊耶那岐命(いざなぎのみこと)と伊耶那美命(いざなみのみこと) 伊耶那岐命と伊耶那美命 1 天津神たちは、伊耶那岐命と伊耶那美命に命じま した。 「あのくらげのようなふわふわしている地を、し っかりかためて国を作りなさい」と。 そして、玉…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 10 命は、義父の足名椎(あしなづち)をよび、「わ しの宮殿の長官になってほしい。これからは、稲 田の宮主・須賀の八耳神となのりなさい」と命じ ました。 須佐之男命と櫛名田比売は、この地で幸せに暮ら …

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 9 命は、出雲の国に、櫛名田比売と暮らすための宮 殿をつくろうと、宮殿を建てる場所を探して歩き ました。 須賀の地が気にいった命は、その地に立派な宮殿 を建てました。 その時、雲がもくもくと立ちあがっ…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 8 後日。 命は、その太刀を、天照大御神に献上しました。 その太刀が、日本武命が火ぜめにあった時、草をな ぎはらったという「草薙の剣」なのです。 八岐大蛇を退治した命は、櫛になっている櫛名田比 売を、…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 7 酒を飲みよっぱらった八岐大蛇は、「どでーん」とい う大きな音をたて倒れてしまいました。 そして「ぐわぁーぐわぁ」と大きないびきをかき寝て しまいました。 命は、持っていた長い剣で、八岐大蛇をずたず…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 6 準備ができると、命たちは八岐大蛇がやってくるの をじっと待ちました。数日後。 空一面に黒い雲があらわれたかと思うと、雷がなり だしました。 ぴかっと稲光も。 不気味な音をたて、八岐大蛇が近づいてき…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 5 命は、櫛名田比売の肩にそっと手をかけると、櫛に 変身させました。 そして、八岐大蛇にみつからないように、櫛を自分 の髪にさしました。 命は、老夫婦に命じました。 「何度も醸造した強い酒を、たくさん…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 4 「おそれいります。でも、まだあなたの名前を聞 いておりませんので」 「わしは、須佐之男命」 「須佐之男命さま?」 「そうだ。高天原にいる天照大御神(あまてらす おおみかみ)の弟だ。さっき、高天原か…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 3 「それはもう恐ろしい怪物で。目は、ホオズキの ように真っ赤。一つの体に、頭と尾が八つ。体に は、桧や杉の木がはえていて、こけがびっしり。 長さは、八つの谷と八つの山ほど。腹には血がつ いており、赤…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 2 「おまえたちは、何者じゃ」 「わしは、国津神・大山津見の子で、足名椎(あ しなづち)。妻は、手名椎(てなづち)。 娘は、櫛名田比売(くしなだひめ)といいます」 「なぜ泣いているのだ」 「わしには、…

八岐大蛇

[童話]八岐大蛇(やまたのおろち) 八岐大蛇 1 高天原で大あばれをした須佐之男命(すさのおの みこと)は、神様たちによって、下界へ追放され てしまいました。 須佐之男命が降りた所は、出雲の国肥の河のほと り、鳥髪。 命がぼんやり川をながめている…