2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

竹取物語

[童話]竹取物語 帝、不死の薬を高い山で焼く 2 中将は、翁の家に派遣された二千人を引き連れ、御 殿に帰りました。 そして、月の都の人たちと戦ったが、かぐや姫をひき とめることができなかったとを、帝に報告しました。 中将は、不死の薬が入っている壺と…

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[童話]竹取物語 帝、不死の薬を高い山で焼く 1 かぐや姫が、月に帰ってしまった後、おじいさんとお ばあさんは、毎日泣いています。 二人がどんなに泣いても、かぐや姫が月から帰って くるわけではありません。 二人のことを心配した人たちは、かぐや姫が残…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 15 中将が、壺を受け取ったので、天人がかぐや姫に 天の羽衣を着せました。 すると、ふしぎなことに、悲しい気持やなごりおしい 気持が、かぐや姫の心からすっと消えてしまいまし た。 姫は、月の車に乗り、…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 14 帝のおそばにお仕えできなかったのも、私が月の国 の人だったからです。命令に従わない無礼なやつめ と思われているのが、ほんとうに残念です」 今はとて天の羽衣着るをりぞ 君をあはれと思ひいでける か…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 13 「ちょっと待ってください。天の羽衣を着ると、心が 変わってしまいます。ひとこといっておかなくては ならないことがあります」 「姫、早くしなさい」といって、天人たちがいらいら して待っています。 …

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 12 天人が持っている箱の中には、天の羽衣が入って います。 また別の箱には、不死の薬が入っていました。 「さあ、姫。壺に入っている薬を飲みなさい。穢れた 地上の物をたくさん食べたから、気分が悪いこと…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 11 おじいさんが泣いている姿をみて、かぐや姫はとほ うにくれました。 「じい、手紙を書いて、お別れします。私を思い出し た時には、手紙を読んでくださいね」といって、姫は 泣きながら、おじいさんに手紙…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 10 屋根の上に、かぐや姫が乗る車を寄せると、天人が いいました。 「さあ、かぐや姫。こんな穢れた所に、なぜ長い間い るのですか。出てきなさい」と。 姫を閉じこめてあった塗籠の戸も、自然に開いてし ま…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 9 おまえは、竹からたくさんの黄金を得て、大金持ち になった。姫は、月の都で罪をおかしたので、賤し いおまえの所に住むようになったのじゃ。姫の罪の 償いの期間が終わったので、姫を迎えにきた。お まえは…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 8 地上から五尺ほど上に立っている人たちの衣装の 素晴らしさ。 こんな美しい衣装は、今までみたことがありません。 かぐや姫が乗っていく車が、一台用意してあり、薄 絹をはった天蓋がさしかけてありました。…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 7 大空から、雲に乗り、おおぜいの人が降りてきました。 そして、地面から五尺ほどあがった所に並びました。 その様子をみた外にいる人も、家の中にいる人も、物 の怪に襲われたような気持になって、戦う気持…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 6 二人に心配をかけてしまったことが悲しいです。月の 都の人たちは、すばらしい人ばかりで、老いることが ありません。悩み事もありません。そんないい所へ帰 ろうとしているのに、私は少しもうれしくありま…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 5 「じいは、迎えにきた人を、長い爪で目の玉をつぶし、 髪をつかんでつき落してやる。そして、尻をまくって、 帝の兵士たちにみせ、はじをかかせてやる」 「じい、そんな大きな声を出さないでください。屋根 …

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 4 「蝙蝠一匹でも飛んだら、さっと殺し、みせしめの ため外にさらしてやろうと思っています」 兵士のことばを聞き、おじいさんは頼もしく思いま した。 それを聞いた、かぐや姫が。 「戸をしめて、戦う準備を…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 3 兵士たちを、家の土塀の上に千人、屋根の上に千 人配置し、使用人とともに、かぐや姫を守りました。 使用人たちも、兵士と同じように、弓矢を持ち武装 しています。 兵士の一部を屋根からおろし、家の中にい…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 2 すると、おじいさんが、 「今月の十五日に、月の都から、かぐや姫を迎えに きます。十五日に、月の都の人たちを捕まえるため、 帝の兵士をここへ派遣していただけないでしょうか」 と、使者にお願いしました…

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[童話]竹取物語 帝、かぐや姫の昇天を確かめる 1 「かぐや姫が、月に帰る」といううわさを聞いた帝は、 竹取りのおじいさんの家へ使者を送りました。 おじいさんは、使者に会い、「娘は、八月十五日に、 月へ帰ってしまいます」といい、泣いています。 おじ…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 18 おじいさんが泣くのをみて、姫はどうしたらいいのか わかりません。 「月の国には、私の父も母もいます。わずかな間だけ といって、月の国からやってきました。でも、この国で、 長い年月がすぎてしまいま…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 17 月の都の人なのです。それなのに、前世の因縁に より、この世に生まれました。もうすぐ月の都へ帰る 時がきました。今月の十五日に、月の国から迎えに くることになっています。私は、月に帰らなくてはな …

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 16 八月十五日が近づいたある日の夜。 姫は縁側に座り、月をみながらはげしく泣いています。 人目も気にしないで、はげしく泣いていました。 「姫、どうした」 おじいさんとおばあさんが、かぐや姫に聞きまし…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 15 「姫、もう月をみてはいけません。姫の様子をみると、 何か悩んでいるようにみえるが」 「私は、月をみないではいられません」 と姫がいいました。 姫は、月が出ると、縁側に座り、ためいきをついてい ま…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 14 「姫。月をみて、物思いにふけっているようだが、何 か悩み事があるのかね」 おじいさんが、聞きました。 「月をみると、心細くしみじみした気持になりますが、 何も悩み事はありません」と。 しばらくし…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 13 「姫さま。月をみるのは、不吉です。二度と月をみて はいけません」 姫に仕えている人がとめるのですが、姫は月をみて、 はげしく泣くようになりました。 七月十五日の夜。 かぐや姫は縁側に出て座り、月…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 12 帝は、かぐや姫のことが気になり、一人で暮らしてい ます。 仕えている女性の所も、帝は行く気がないようでした。 帝は、かぐや姫に、何度も手紙を書きました。 かぐや姫は、お召しには応じなかったが、帝…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 11 かぐや姫が、帝に歌を返します。 むぐらはふ下にも年は経ぬる身の なにかは玉のうてなをも見む 帝は、かぐや姫の歌を詠み、すばらしい歌だと思い ました。 帝は、御殿に帰りたくなかったが、ここで夜を明…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 10 帝は、かぐや姫を連れて帰ることは無理だと思い、 あきらめました。 でも、かぐや姫に対する気持をおさえることはでき ませんでした。 かぐや姫をみることができた帝は、おじいさんにお 礼をいいました。 …

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 9 「そんなはずはない。私は、どんな手を使っても、 連れていくつもりだ」 輿を邸につけている間に、かぐや姫はすっと姿を 消してしまいました。 「かぐや姫が、あっという間に、消えてしまった。残 念だ。姫…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 8 帝は、急いで狩りの日を決め、狩りに出かけました。 そして、姫の家へ寄りました。 帝が、家の中へ入ってみると、美しい姫が座ってい ます。 今までみたことのない美しさでした。 帝は、奥へ逃げて行こうと…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 7 「娘を入内させようと何度も説得しましたが、だめ でした。もし、宮仕えをさせるならば、娘は死ぬと いっております。娘は、妻が生んだこどもではあり ません。昔、竹林でみつけたこどもです。だから、 世間…

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[童話]竹取物語 帝のお召しに応じないかぐや姫 6 「姫、何をいうのだ。姫が死んでしまうなんて・・・。じ いは、爵位などいらない。でも、姫は、なぜ宮仕えを しないのか。死ななくてはならない訳でもあるのかね」 「じい、私のいうことが、嘘だと思うなら…