2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 8 「中はがらんどうで、外はすぼまっていますよ」と、 伝えたかったのでしょうか。 大国主命が、足元をどんとふむと、下は大きな穴 になっていました。 穴の中へ入り、身をかがめ隠れていると、近…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 7 大国主命は、背丈ほどある草をかき分け、矢をさがし ました。 でも、矢はみつかりません。 命は、大国主命を焼き殺そうと、野原のまわりへ火を つけました。 四方から火があがり、あっという間に…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 6 二度の試練を無事にきりぬけた大国主命をみて、 「しぶといやつじゃ。よーし、今度こそみておれ」と、 命は次の計画を立てました。 命は、草がぼうぼう茂っている広い野原へ、大国 主命をつれて…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 5 次の朝。 さっそうとあらわれた大国主命をみて、命は「なぜ 生きているのじゃ」と、小声でつぶやきました。 その日の夜。 命は、むかでと蜂がいっぱい入っている室へ、大 国主命をつれていきまし…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 4 「もし蛇が近づいてきたら、このひれを三度ふって、 蛇をおいかえしなさい」 須勢理比売が室を出ていくと、たくさんの蛇がかま 首をもたげいっせいに大国主命にむかってきました。 蛇が嫌いな大…

福寿草になった少女

[童話]福寿草になった少女 福寿草になった少女 23 それから五百年がすぎました。 守屋山のふもとでは、何万本にもふえた福寿草が、 春の光をあび、美しく咲いています。 その中に一本、福の生まれ変わりの花が咲いてい ます。 その福寿草は、守屋山にまだ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 3 「こんな男に、だいじな娘をとられてたまるか」 そう思った命は、大国主命が娘の婿としてふさわし いかどうか、いろいろ試してみようと思いました。 命は、大国主命を、蛇の室へつれていきました…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 2 「お父さま。玄関に、美しい青年が訪ねてきています」 「何、美しい青年だと」 命は玄関へ行き、大国主命をじろりと観察しました。 玄関に立っていたのは、清らかな瞳をした好青年で した。 「大…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 大国主命の試練 1 大国主命は、木国の大屋毘古神(おおやびこのか み)を訪ね、地底の国・根之堅州国(ねのかたすく に)へ行く道を教えてもらいました。 やっと根之堅州国へ着きました。 「須佐之男命さまのお宅…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 赤い猪 6 「これ以上、おまえをここにおいておくわけにはい かない。すぐに、須佐之男命(すさのおのみこと) さまが住んでいる根之堅州国(ねのかたすくに) へ逃げなさい。そうすれば、須佐之男命さまがい いよ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 赤い猪 5 おかあさんは、大国主命の姿がみえないので、あち こち探して歩きました。 おかあさんは、山の中で、木の切れ目にはさまれ死 んでいる大国主命をみつけました。 急いで切れ目を切り開き、大国主命をひき…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 赤い猪 4 薬ができると、二人は「大国主命が生き返ります ように」と祈りながら、大国主命の体に薬をぬりま した。 すると・・・。 ふしぎなことに、大国主命の重いやけどがなおり、 元通りの美しい青年に生まれ変…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 赤い猪 3 泣きながら大空へかけのぼっていき、高天原にい る神産巣日神(かむむすひのかみ)にお願いしま した。 「どうか私の息子を助けてください」 神産巣日神は、蚶貝比売(きさがいひめ)・蛤貝比 売(うむが…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 赤い猪 2 「それー、猪だ。つかまえろー」 八十神たちは、真っ赤に焼けた石を、山の上から 落としました。 石は、ごろんごろんところがっていきます。 下で待っていた大国主命は、猪だと思い真っ赤に 焼けた石にか…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 赤い猪 1 八十神たちは、大国主命を殺そうと、伯岐(ほうき) の国手間の山へつれていきました。 「この山には、赤い猪がいる」 「赤い猪?」 「そうだ、赤い猪だ。わしらが山の上から猪を追い 落とすから、おまえ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 7 ところが・・・八上比売は、 「私は、あなたたちの妻にはなりません。私は、あ の大きな袋を背負っている大国主命さまの妻にし ていただきます」といいました。 八上比売のことばを聞いた八十…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 6 うさぎの話を聞いた大国主命は、かわいそうに思い ました。 「川口へ行き、真水で体をよく洗いなさい。そして、 蒲の穂をたくさん集め、蒲の花粉の上で寝ころんで いなさい。そうすれば、すぐ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 5 「やーい、やい。まぬけな鰐め。うまくだまされたな。 わしは、ただ本土へ渡りたかっただけだ」と。 すると、最後に並んでいた鰐が怒って、いきなりわ しをつかまえました。 そして、毛をはい…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 4 「どうやって、鰐をだましたのじゃ」 「おまえとわしの仲間、どちらが多いか、比べてみ ようじゃないか。あの気多の岬まで、一列に並んで ごらん。そうすれば、わしが数を数えてやるから」 鰐…

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[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 3 八十神たちのことばを信じたうさぎは、早速海に つかりました。 ずぶぬれになったうさぎは、よたよたしながら高 い山へ登り、そこで寝ころんでいました。 ところが・・・。 海の水がかわくにつ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 2 ひとのいい大国主命は、八十神たちのたくさんの 荷物を背負い、後からついていきます。 八十神たちは、大国主命のことなどかまわず、ど んどん先へ行ってしまいました。 八十神たちが、稲羽の…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 大国主命 稲羽のしろうさぎ 1 大国主命(おおくにぬしのみこと)には、八十神と いって、おおぜいの兄弟がいました。 大国主命は、天之冬布(あめのふゆきぬ)と刺国 若比売(さしくにわかひめ)の末っ子でした。 大国主命…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 9 命は、義父の足名椎(あしなづち)をよび、「わしの 宮殿の長官になってほしい。これからは、稲田の宮 主・須賀の八耳神となのりなさい」と命じました。 須佐之男命と櫛名田比売は、この地で…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 8 その日。 二人は、結婚しました。 命は、出雲の国に、櫛名田比売と暮らすための宮 殿をつくろうと、宮殿を建てる場所を探して歩きま した。 須賀の地が気にいった命は、その地に立派な宮 殿を…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 7 尾を切り刻んでいた時、「かちん」という音がして、 剣の先が欠けてしまいました。 「何にあたったのだろう」 命が尾を切り開いてみると、立派な太刀が出て きました。 後日。 命は、その太刀…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 6 鋭いきばをむきだし、八つの鎌首をくねらせなが ら、垣根の近くまできました。 八岐大蛇は、八つの酒桶に頭をつっこむと、うま そうに酒を飲み始めました。 酒を飲みよっぱらった八岐大蛇は、…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 5 命は、老夫婦に命じました。 「何度も醸造した強い酒を、たくさんつくってくれ。 そして、家のまわりに垣根をつくり、八つの入口を つくるのじゃ。それぞれの入口には、強い酒を入れ た船型の…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 4 「須佐之男命さま?」 「そうだ。高天原にいる天照大御神(あまてらすお おみかみ)の弟だ。さっき、高天原から降りてきた ところだ」 「天照大御神さまの弟とは・・・おそれ多いことで ござ…

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 3 「それはもう恐ろしい怪物で。目は、ホオズキの ように真っ赤。一つの体に、頭と尾が八つ。体に は、桧や杉の木がはえていて、こけがびっしり。 長さは、八つの谷と八つの山ほど。腹には血が …

古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」 八岐大蛇(やまたのおろち) 2 「おまえたちは、何者じゃ」 「わしは、国津神・大山津見の子で、足名椎(あし なづち)。妻は、手名椎(てなづち)。娘は、櫛名 田比売(くしなだひめ)といいます」 「なぜ泣いているのだ」…