風の神様からのおくりもの

[童話]風の神様からのおくりもの




「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりものに収録されています。




   風の神様からのおくりもの 1


五月十日。
からりと晴れたさわやかな日でした。
「ぴゅー、ぴゅーー」
気持の良い風が、諏訪盆地を通りすぎ
ていきます。


風の神様は、いつものように諏訪湖
まわりをひとまわりして、たったいま
社に帰ってきたところです。
「今日も、一日無事に終わりそうじゃな。
さて、わしもひとやすみするか」
神様は、境内の切り株に、腰をおろし
ました。


        つづく