ライオンめざめる

[童話]ライオンめざめる


ライオンめざめる 11


だれがふいているのでしょうか。
どこからか清らかな笛の音も聞こえてきます。
ちょうたちは、その笛の音にあわせ、楽しそ
うに舞っています。
「うーん・・・うーん・・・」
ライオンのうなり声で、かなははっとわれに
かえりました。


あんなにたくさんいた赤いちょうは、どこを
さがしても一匹もいませんでした。
「赤いちょうは、どこへ消えてしまったのか
しら」
かなは、ふしぎに思いました。
みると、松虫草の花が、何事もなかったかの
ように、風でゆれています。


         つづく





「ライオンめざめる」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。


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