竹取物語

[童話]竹取物語


石上(いしのかみ)の中納言と燕の子安貝 5


そして、ひそかに大炊寮(おおいづかさ)に出掛
け、家来たちの中に交じって、燕が卵を産むのを
監視しました。


中納言は、倉津麻呂が燕の子安貝のとり方を教え
てくれたので、着ていた衣装を脱ぎ、倉津麻呂に
褒美として与えました。
「夜になったら、もう一度、大炊寮(おおいづかさ)
にきてくれ」
倉津麻呂を、いったん家に帰しました。 


日が暮れたので、中納言は、例の大炊寮(おおい
づかさ)へ行き、燕の巣をみました。
倉津麻呂が教えてくれたように、燕が尾を上にあげ
まわっています。


            つづく