牛に乗ったお玉さま

[童話]牛に乗ったお玉さま


    牛に乗ったお玉さま 2


長者の屋敷から半里ほど離れた所に、「金龍院」とい
う小さなお堂がありました。
お堂には、説話の上手な若い坊さんが住んでいました。
そのお堂の近くには、「仏沢の底なし池」とよばれる深
い池があります。


「金龍院の観音様は、願いごとをよくきいてくださるそ
うだ」
そんなうわさを聞き、近くの村からおおぜいの人が金
龍院へお参りにきます。
七日の縁日には、遠くの村からも峠をこえてお参りに
くる人もいました。


           つづく