[童話]ふしぎな鈴
ふしぎな鈴 17
小桜姫とふしぎな鈴 15
ところが、ある日、姫がおそれていた大きな
戦が始まりました。
それは、三年にもわたる、長いきびしい戦で
した。
ひとつきに何度となくくりかえされる夜討ち、
朝がけ、やあわせ、きりあい。どっとおこる
ときの声、空をこがすのろし…。
戦はすざましいものでした。
「一日も早く、戦が終わりますように。どう
かみんなが無事でありますように」
姫は、一族のことを、毎日神様にお願いしま
した。
しかし、姫の祈りもむなしく、戦のさなかに、
夫をはじめ一族のほとんどが、城でうち死し
てしまったのです。
つづく
「ふしぎな鈴」は、
みほようこ三冊目の童話「ふしぎな鈴」
に収録されています。
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