[童話]ライオンめざめる
ライオンめざめる 18
すると、ライオンが話しはじめました。
「王妃はかなしがって、小さくなった私を、金
のロケットにしたのです。そして、王妃は、な
くなるまで私を大切にしてくれました」
ライオンは、やさしかった王妃をなつかしむよ
うにいいました。
「そのロケットが、おおぜいの手をへて、こう
してかなの手にわたったのじゃ。今までは、だ
れもライオンのうなり声を聞くことができなか
った。でも、かなのおかげで、ライオンはやっ
と長いねむりからさめることができたのじゃ。
ライオンよ、ほんとうに良かったのぅ」
かなは、神様の話を、ふしぎな思いで聞いてい
ました
つづく
「ライオンめざめる」は、
みほようこ四冊目の童話集「ライオンめざめる」
に収録されています。
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