女神さまとの約束

[童話]女神さまとの約束


女神さまとの約束 33


「とうちゃんの病気をなおしてもらうかわりに、
この岩場にとどまって、病気で苦しんでいる人
を助けるって、女神さまと約束したの」
「そうか。ふくは、わしのために、女神さまと
そんな約束をしたのか。なにも知らなかった」


「私、とうちゃんに元気になってほしかったの。
女神さまと約束した時は、とうちゃんの病気が
なおることしか考えていなかった。だから、岩
場に残るということがどういうことか、なにも
考えていなかったの。よく考えてみると、岩場
に残るということは、とうちゃんとはなればな
れにくらすということなのよ・・・ね」
ふくは、さみしそうにいいました。


          つづく







「女神さまとの約束」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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