竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


竜の姿をみた少女 7


「竜? そんなもの、いるはずないよ」
「村に伝わっている大昔の話だろ」
「この世に、竜なんているはずないじゃん」
「かなちゃん。湖に竜がいると思っているの。
馬鹿みたい」
友だちは、みんなそういいます。


「となりのかなちゃんは、しらかば湖に竜がい
ると信じているようだわ」
「この世に、竜なんているはずないのにね。何
を馬鹿なことをいっているのかしら」
「そういえば、かなちゃんのおとうさんも、湖
に竜がいると信じているみたい」
「ほんとうにおかしな親子だねぇ」
村の人たちは、どの人も「竜なんかいない」
と思っていました。 


          つづく







「竜の姿をみた少女」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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