竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


竜の姿をみた少女 8


山深い村にも、ようやくあたたかな春がやっ
てきました。
湖のほとりでは、空色のいぬのふぐりの花が
咲き始めました。
かなは、いぬのふぐりの花が大好き。


「かな、この空色の花はね、いぬのふぐりと
いう花だよ。かわいい花だね。空のお星さん
が、草むらでかくれんぼしているみたいだね。
いぬのふぐりの花は、きびしい寒さの中で、
春一番に咲くんだよ」
なくなったおかあさんが、教えてくれた花で
した。


          つづく







「竜の姿をみた少女」は、
みほようこ五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。


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