[童話]古事記神話「古事記物語」
豊玉比売 6
「兄のつり針の件で、豊玉比売に相談しようとここ
へ来たのに、そのことをすっかり忘れてしまってい
た」と。
山彦のため息を聞いた豊玉比売は、どうしたのだ
ろうと心配しました。
豊玉比売は、父に相談しました。
「父上。山彦さまは、ここへきて三年になりますが、
ため息などついたことは一度もありません。それな
のに、昨晩は大きなため息をついていました。なに
か心配ごとでもあるのでしょうか」
海の神は、山彦に聞きました。
「昨晩大きなため息をついていたと、娘が心配して
います。何か心配ごとでもあるのか」
つづく
「古事記」は、どのようにして編集されたのか?
古事記神話「古事記物語」を書いた数年後、
斎木雲州著「古事記の編集室」を読みました。
著者の「斎木雲州」さんについては、この本を。