古事記神話「古事記物語」

[童話]古事記神話「古事記物語」


豊玉比売 10


「わしは、一日で山彦さまを送り、ここへ帰ってき
ます」
一尋鰐がいいました。
「じゃあ、おまえが、山彦を送ってあげなさい。海
原の真ん中を渡る時には、恐ろしい思いをさせな
いように気をつけて送ってあげなさい」
海の神は、鰐の背中に山彦をのせ見送りました。


その鰐は、約束通り、一日で山彦を地上の国へ
送りました。
鰐が帰ろうとした時、山彦は身につけていた紐つ
きの懐剣をほどき、鰐の背中に結びつけました。
「鰐よ、ありがとう。気をつけて帰るのだよ」
山彦は、鰐の姿が見えなくなるまで、鰐を見送り
ました。
山彦を送った一尋鰐は、後に「佐比持神」といわ
れるようになりました。

 
         
         つづく



古事記」は、どのようにして編集されたのか?


古事記神話「古事記物語」を書いた数年後、
斎木雲州著「古事記の編集室」を読みました。

http://oomoto.net/sub3-b.html


著者の「斎木雲州」さんについては、この本を。

http://oomoto.net/sub3-c.html