竹取物語

[童話]竹取物語


石上(いしのかみ)の中納言と燕の子安貝 7


手に、何か平たい物が触りました。
「とれたぞ。早く下におろしてくれ。じいさん、やっ
たぜ」
家来たちは、中納言を早く下へおろそうとして、綱
をぐいっとひきました。
ところが。綱をひきすぎて、綱がなくなった瞬間、中
納言が八個の鼎の上に、あおむけに落ちてしまい
ました。


家来たちはびっくりして、そばにかけ寄り、中納言
をだきかかえました。
中納言は、白目をむいて倒れています。
家来たちは、水を飲ませました。
中納言が目をさましたので、やっとのおもいで、鼎
の上から中納言を下へおろしました。


            つづく