竹取物語

[童話]竹取物語


石上(いしのかみ)の中納言と燕の子安貝 8


「大丈夫ですか」
「意識は少しあるが、腰が痛くて動けない。でも、わ
しは子安貝をとったので、うれしい。とにかくあかり
を持ってきてくれ。子安貝をみたい」
中納言が、手を広げてみると、子安貝ではなく、燕
の古い糞でした。


中納言が、燕の古い糞をみて、「ああ、残念。子安
貝ではなかった」といった時から、期待に反すること
を「かいなし」というようになりました。
子安貝ではないとわかった中納言は、いっそう気分
が悪くなり、腰が折れて動けなくなってしまいました。


            つづく