瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


    瑠璃寺の青獅子  9


小屋ができると、男は獅子頭を彫るための木を探
して歩きました。
生きているようにみえる獅子の頭を彫るためには、
どんな木でもいいというわけにはいきません。
軽くて、丈夫で、しかも獅子が宿っている木でなく
てはなりません。
男は木地屋へ行き、桐やイチョウ・栃・楠などの木
をみせてもらいました。
でも、気にいった木はみつかりません。


二週間後。
やっと、気にいった木がみつかりました。
それは、大きな桐の木でした。
「この木の中には、獅子が眠っている」
木をみた時、そう思いました。


            つづく