瑠璃寺の青獅子

[童話]瑠璃寺の青獅子


    瑠璃寺の青獅子  21


和尚は、男が何日も食事をしていないのではないか
と思いました。
うす暗い小屋の中で、男の目だけが異様に光ってい
ます。
和尚は、男の変わりようにびっくりしました。
声をかけることもできず、和尚は小屋の外から男の様
子をじっとみていました。


「獅子よ。やっと完成したぞ。後は、色をぬり、金箔を
はるだけじゃ。そうそう、頭へ毛もつけなくてはいけな
いのぅ。どれ、太陽の下で、おまえの頭をじっくりみて
みよう」
そういって、男は立ちあがろうとしました。

 
            つづく