井戸で鳴く黄金色のにわとり

[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり


    井戸で鳴く黄金色のにわとり  13


「きゃあー」
女の人たちの悲鳴が聞こえます。
一箇所火を消しても、すぐまた別の所から火の手が
あがります。
城のあちこちが燃えはじめました。
城の中は、もうもうと煙がたちこめています。


「姫さま。さあ早く、あっちへ逃げましょう」
姫はにわとりをだき、おつきの人と一緒に、安全な
場所をさがして逃げまわりました。
「く、く、くっ」
にわとりが、苦しそうに鳴いています。
「こっこ、だいじょうぶ。私が守ってあげるからね」
姫は、にわとりをだきしめました。


              つづく