赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  4


「城なんか、一つあればいい。なぜ三つも城を作る
のじゃ。そんな金があったら、年貢を安くしてほしい」
「石を運ぶ仕事は、もうたくさんじゃ」
「殿様は、わしらをなんと思っているのだろう。働く道
具とでも思っているのか」
領民たちは、城をつくるたびに、城主の盛永に不満
をもつようになりました。


「殿。いくつ城をつくったら、気がすむのじゃ。少しは
領民のことも考えないと」
「殿。こんなことを続けていると、領民たちが一揆をお
こしますぞ」
重臣たちは、盛永に忠告しました。
しかし、盛永は、重臣たちの忠告をききません。


           つづく