赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


    赤い夕顔の花  5


家臣の中にも、おごりたかぶっている盛永に、不満を
もっているものが大勢いました。
中には、吉岡城の下条時氏に通じていたものもいた
ようです。


盛永は、鹿狩りが大好きでした。
ひまがあると、弓や鉄砲を持って山へでかけます。
夢中で鹿狩りをしているうちに、山で働いているきこり
や、道を通る旅人を傷つけてしまったこともありました。
「あの山には近づくな。殿様が鹿狩りをしているから」
領民たちは、こどもたちにいいきかせました。
盛永は、何かに夢中になると、前後のみさかいがなく
なってしまう人だったのでしょうか。


           つづく