富士山の好きな少女

[童話]富士山の好きな少女


    富士山の好きな少女 8


姫さまは、かなの首に首かざりをつけてくれました。
姫さまが動くたびに、桜の花のいい香りがします。

「このはなさくや姫さま、すてきな首かざりをありがと
うございました」
かながお礼をいった時、姫さまの姿は消えていました。


かわりに、空から、たくさんの桜の花びらが、ひらひ
ら舞いながら落ちてきました。
かなには、桜色のちょうが、楽しそうに舞っているよ
うにみえました。


目の前には、いつもの富士山が、何事もなかったか
のようにそびえていました。


             おわり