富士山の好きな少女

[童話]富士山の好きな少女


    富士山の好きな少女 1


「富士山には、このはなさくや姫が住んでいる」という
いいつたえがあります。
ふもとの村に、少女とおじいさんが、二人で暮らして
いました。
少女の名前は、かな。


「じいちゃん、疲れたでしょ。かたをたたいてあげる
ね。そこへすわって」
「じいちゃん、無理しないでね」
かなは、おじいさんのことを、いつも心配しています。


おじいさんのかたをたたいてあげたり、腰をもんであ
げたり、おじいさんの手伝いもよくしました。
かなは、おじいさん思いのやさしい少女でした。


             つづく