大国主命

[童話]大国主命


    やきもちをやく須勢理比売 4


あなた以外に夫はいません。
綾織りの帳がひらりとたれている下で、カラ
ムシの寝具の柔らかな下で、タクの寝具のざ
わざわ鳴る下で、淡雪のような私の白い胸を
やさしくだいてください。 


そして、私の手を枕にして、ゆっくり足をの
ばしておやすみください。
さあ、お酒を飲んでくださいな。


こんな意味の歌を詠むと、二人は杯をかわし、
夫婦のちぎりをかためました。


その後。
大国主命と須勢理比売は、今も出雲の国で仲
良く暮らしています。


           つづく