風の神様からのおくりもの

[童話]風の神様からのおくりもの


風の神様からのおくりもの 23


一年がすぎました。
まゆと同じころ生まれたこどもは、どの子
もつかまりだちができました。
発育の良いこどもは、外を歩いています。
でも、まゆは、ぺたんとねているだけです。
ねがえりすらうてません。
おかあさんは、よそのこどもをみるたびに、
胸がちくりと痛みます。


そんなある日。
「この家の子ね、まゆちゃんていうんだけ
れど、一年たってもまだねがえりができな
いんだって。ぺたんとねているだけだって」
「まだねがえりができないの。早い子は、
外を歩いているのにね。まゆちゃんて、ち
ょっとおかしいんじゃないの」
近所のこどもたちが大声で話しながら、家
の前を通りすぎていきました。


       つづく




「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりものに収録されています。

http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html


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