[童話]雪んこの舞
雪んこの舞 9
もうるみはひとりぼっちではありません。
十ニ月八日。
代表の雪んこたちが、下界へおりるリハー
サルの日です。
「無事におりていけるかしら」
るみは不安でした。
「あんなに一生けんめい練習したのだもの、
きっとうまくおりていけるわ」
るみは何度もそう自分にいいきかせました。
百五十人の雪んこたちは、いっせいに空の
国を出発しました。
ところがあんなにきびしいけいこをしたの
に、「すとーん」とまっさかさまに落ちて
しまう雪んこばかりでした。
最後までちゃんとまった雪んこは一人もい
ません。
つづく
「雪んこの舞」は、
みほようこ初めての童話集「風の神様
からのおくりもの」に収録されています。
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